G7狙うサイバー攻撃 「ハクティビスト」警戒 – 産経ニュース

2023/5/8 18:44

19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に対してサイバーテロの脅威が高まっている。これまでも主要国の首脳が集まる大規模な国際会議は、情報窃取や会議妨害を狙ったサイバー攻撃の標的となってきた。今回はロシアによるウクライナ侵攻が続く中での開催で、親露派のサイバー攻撃集団の動きも活発化する恐れがある。日本政府は関係機関への注意喚起やサイバー攻撃を想定した演習を実施し、対策強化に乗り出している。

《反ロシアキャンペーンをしている日本政府に宣戦布告する》。昨年9月、デジタル庁所管のポータルサイトなどが一時利用できなくなり、親露派ハッカー集団「キルネット」がサイバー攻撃を仕掛けたとする犯行声明を通信アプリに投稿した。

3月には、岸田文雄首相がウクライナを電撃訪問してゼレンスキー大統領と会談、追加の支援策などを発表。G7議長国としてウクライナ支持を鮮明にする日本への攻撃を主張する集団もおり、政治的主張のためにサイバー攻撃を行う「ハクティビスト」によるさらなる攻撃も懸念される。

大規模な国際会議は過去にもサイバー攻撃の標的となってきた。会議の数カ月前から、会議妨害や情報窃取などを目的に行われているとみられる。

2011年11月に仏・カンヌで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議では、前年末から仏財務省のコンピューターに大規模サイバー攻撃があり、会議関係の情報が狙われた。同省の17万台のコンピューターのうち150台以上がウイルスの影響を受けたとされる。

また、17年7月にドイツで開催されたG20ハンブルクサミットでも、参加国の関係者に、実際に開催される関係会合への招待状を装ったファイルを用いた標的型メール攻撃が行われたとされる。背後にロシア政府がいたのではないかと報じられている。

G7狙うサイバー攻撃 「ハクティビスト」警戒