「お客様バカですか?頭がないんですか」と罵倒も サイバー攻撃の脅威と実態…犯行グループは素性伏せ”実働部隊”を求人_FNNプライムオンライン

昨今、企業などだけでなく、個人を狙ったサイバー攻撃が社会問題化している。サイバー攻撃の実態や対策を取材した。

数万人分のカルテが閲覧不可能 病院も攻撃対象に

愛知県春日井市の「春日井リハビリテーション病院」は2022年1月、深夜に電子カルテのサーバーがウイルスによって暗号化され、数万人分の患者のデータが突然見られなくなった。

そして、英語の脅迫文が表示された。

【脅迫文の内容】
「ネットワークとパソコン内すべてのファイルなどがハッキングされて暗号化されました」
「重要なファイルの一部を出力し、流出させる準備が整っています」
「情報漏洩を防止、復元化したいのなら、お金を支払うべき」

暗号化されたファイルの”身代金”を要求してくるコンピューターウイルス「ランサムウェア」だ。

入退院の患者も多く、診察や治療も止められない。病院側は紙のカルテを一から作ることを余儀なくされた。

総務課の担当者:
そこに紙のカルテを用意していまして。この棚も急遽、スタッフが段ボールで作って…

看護師長:
一からカルテを作っていかなきゃいけなかったので、それが大変でした。患者さんは生きていらっしゃるし、その治療だったり、何か必要だっていうことがあるので、こっちができないということは言えない

スタッフ一丸となっての対応で、幸い患者らに大きな影響はなく済んだという。今回、身代金の金額は具体的に書かれていなかったが、病院側は警察や専門業者に相談。要求には応じず新たなシステムを導入したが、その費用は7000万円以上にもなった。

完全な復旧までかかった月日は5カ月。これまでに病院のデータが流出した形跡はなく、警察が捜査している。

子会社の脆弱性を突かれ…奪われたデータは売り買いも

急増するランサムウェアによる被害。2022年2月には、トヨタ自動車の部品の仕入れ先「小島プレス工業」も被害に遭った。

https://www.fnn.jp/articles/-/423616