サイバー人材の認証制度を創設、元防衛次官ら提言
2023年8月1日 15:55
防衛次官や自衛隊トップの統合幕僚長の経験者らが1日、日本のサイバー防御能力を高めるための提言を公表した。人材育成に向けてカリキュラムをつくり高度な技術を取得した人を認証する制度の創設を求めた。人材を登録する「人材バンク」の設置も要望した。
有能な人材が防衛省・自衛隊やインフラ事業者など官民を行き来しやすくする狙いだ。提言は「国全体でのサイバー人材の育成を急ぐ必要がある」と強調した。
米欧などは官民が協力して認証制度を設け、優れたサイバー人材の官民交流を促してきた。
政府は2022年末に決定した国家安全保障戦略で、サイバー攻撃を未然に防ぐため敵のシステムへ侵入する「能動的サイバー防御」の導入を決めた。提言は「効果的に実施するには高度なサイバー人材の育成」が欠かせないと指摘した。
機密情報にアクセスできる人を決めるセキュリティー・クリアランス(適格性評価)を巡って「官民連携に不可欠だ」と説いた。主要7カ国(G7)で日本だけ導入していない。
斎藤隆元統幕長や島田和久元防衛次官が提言の策定を主導し、鈴木茂樹元総務次官や安藤久佳元経産次官、中村格前警察庁長官らが加わった。
統幕長や次官経験者らで年内にもサイバー人材の官民交流を促進する新団体を設ける。(一部抜粋)
サイバー人材の認証制度を創設、元防衛次官ら提言