ランサム被害、データの復旧を保証 米ネットアップ
2023年7月28日 19:51
外部記憶装置(ストレージ)大手の米ネットアップは、自社製品の利用企業に対し、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)被害からの復旧やシステムの可用性(処理が停止しない能力)を保証するプログラムを始めた。取得したバックアップデータからの復旧ができなかったり、ストレージ装置が使えない時間が一定以上を超えたりした場合は、ネットアップが企業に補償を提供する。
新プログラム「ネットアップアドバンス」のランサム復旧保証では、企業側がネットアップによる装置の導入、設定の作業サービスを利用し、また同社が求めるランサム対策に必要な機能を設けた場合に加入できる。
ネットアップは管理者でもバックアップを勝手に削除できない仕組みといった、ストレージ内のデータ保護に強みを持つ。ランサムウエアによってデータが暗号化された場合でも、バックアップからデータを回復できると担保する。復旧できない場合の補償内容は国や利用組織によって異なるが、装置の購入費用相当分の返金などを一例に挙げる。
また、ストレージ装置の可用性については「99.9999%」以上を保証するとし、機器を原因とする停止時間が年間で32秒以上発生した場合は同様の補償を行う。
このほか、製品利用の契約期間中にオンプレミスからクラウドに切り替える場合なども、切り替え時のストレージ機器の下取り価格をクラウドの利用料金へと充当できるサポート制度も始める。データ管理方式を変えやすくすることで長期間の契約を促す。
ネットアップ日本法人の中島シハブ・ドゥグラ社長は「バックアップや可用性の高さを保証するプログラムを設けることで、安心感を持って導入しデータを有効活用してもらいたい」と話している。
ランサム被害、データの復旧を保証 米ネットアップ